弁護士俵のブログ/ Abogado TAWARA Cristóbal Kojiro

ラテンアメリカの音楽が超好き

アフガニスタンについて思うこと

「発信するんだ」「言葉の持つ力を信じるんだよ」

所属している事務所の代表に言われた言葉です。

まったくその通りだと思ったので筆をしたためることにしました。

本当にイケてる代表がいる事務所に入れて良かったと思いました。

(気恥ずかしくて本人を前にしては言えない)

なお、代表は実名で発信するべきだと言っていました。

なお「びゃお」は中国語の普通話読みでいちおう実名です。

 

米軍がアフガニスタンから撤退することが決定されました。

昨日も今日も事務所でこう言われました。

「びゃお君(ぼくのこと)、どうすんの。大変なことになるよ。」

「びゃお君(ぼくのこと)、すごく忙しくなるでしょう。」

 

アフガニスタンからの難民の方の件がこの先ものすごく増えることになる、

そういう意味です。

これは大変なことになる。自分もそう思いました。

多くのアフガニスタン難民が日本にいらっしゃる。

同時に数年前の入管での出来事が思い当たりました。

昔読んだ記事が今も残っていました。

www.refugee.or.jp

 

果たして入管は変わったのでしょうか。

 

独自の解釈を採用して保有個人情報を代理人により請求することを認めない

仮放免の際には品川入管だと窓口で必要書類を渡され→JR田町駅の銀行まで移動させられ保証金を納付し→また入管に戻って納付書を提出しないといけない(キャッシュレス決済って知ってます?嫌がらせですか?)

弁護士が正式に依頼者から委任を受けて手続きを代理しているのに手続きの状況を説明しない

被収容者が病院に行きたいと何度も訴えているのに連れて行かない

難民不認定処分に対する異議申し立ての棄却を告知した翌日チャーター機で難民申請者を強制送還する

仮放免許可申請をして1か月以上放置されて許否が決定される

他にたくさんありますが全て現在の話です。

 

受験生の時にマクリーン判決を読んで何だろう何を言ってるんだろう、え?これ本当に最高裁判例?いやおかしいでしょどう考えても‥‥

その程度の実感しかありませんでした。

しかし実際に実務をはじめてみると、外国人の人権保障は在留制度の枠内でしか与えられていない現状(上に書いたことですね。他にもたくさんあります。)をひしひしと感じています。そしてその度に強く怒りを覚えます。

それでは自分が入管側の立場であればどうするでしょう?

有権者でない人の意見は外交に支障がない程度に聞いておけばよい」

「そもそも外国の大使館も領事館も在留資格がない人には冷たいし外交問題にならない」

「裁判所も入管の判断に追随するからほっといていい」

「いつまでも日本にいるかどうかわからない人に割くリソースはない」

いくらでも手を抜く理由が出てきます。

でもおかしくないですか。外国から働きに来ている人や日本に移住する人を受け入れたのは誰ですか。

同じ人間に対する態度がそれですか。

有権者の無関心が現に人を傷つけていることは十分わかっているでしょう。

 自分たちが作った国のかたちに対していつまで見て見ぬふりを続けるのですか。

そしてこのまま無関心を貫けば、きっとあのときアフガニスタンからの難民申請者に対して行われたことと同じことが繰り返されるでしょう。

だから今できることをしないといけない。

人が人として尊厳をもって生きられる世界で生きたい。